【香港=粟井康夫】香港上場の旅行かばん世界最大手、サムソナイト・インターナショナルは4日、ライバル企業の米高級ビジネスバッグ、トゥミ・ホールディングスを買収すると発表した。評価額は約18億ドル(約2000億円)。サムソナイトは自社の販売網を活用し、トゥミが手薄だったアジアや欧州市場への展開を強化する。
サムソナイトはトゥミの株主から直近の株価に38%を上乗せした1株26.75ドルで株式を買い取る方針。買収資金は銀行団からの協調融資でまかない、モルガン・スタンレーやHSBC、三菱UFJフィナンシャル・グループなどが幹事を務める。
トゥミは米軍の防弾チョッキにも使われる高機能ナイロンを使った耐久性の高いバッグで知られ、ビジネスマンを中心に人気を集める。2015年12月期の売上高は5億4800万ドル。北米市場での売り上げが全体の68%を占め、成長市場であるアジア太平洋や欧州・中東での販売強化が課題になっていた。
サムソナイトは11年に香港取引所に上場し、14年12月期の売上高23億5100万ドルのうちアジアが約4割を占める。米同時多発テロ後の旅行需要低迷で存続の危機に陥った反省から、近年は女性用ハンドバッグやアウトドア用品の有力ブランドを買収し、旅行かばん以外の売上高を50%以上に引き上げる目標を掲げていた。
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26.75ドルといえば、買収の可能性が報道される直前の2日の終値を約33%も上回るらしい。
大きなニュースですね。サムソナイトに喧嘩を売る商品展開は無くなるのか?サムソナイトとTUMIのハードタイプのキャリーバッグ等は、価格帯が違えど同じようなサイズで展開しているものもあります。正直なところ、独自性が薄れるのではないかと心配に思う面もあったり。
サムソナイトは、グレゴリーも2014年6月に買収しています。サムソナイトのバックパックを低・中間価格とし、グレゴリーのバックパックを高価格プレミアム層向けとして位置づけているようです。TUMIのバッグもサムソナイトグループの中のプレミアム層という位置づけにするのかもしれません。
勢いがある企業のグループに入っておいたほうがブランドの継続性にプラスとなると思いたいですね。
サムソナイトは2016年8月1日、トゥミ・ホールディングスの買収を完了しました。
ちなみに2020年現在、サムソナイトのグループに存在するブランドはSamsonite®, Tumi®, American Tourister®, Speck®, Gregory®, High Sierra®, Kamiliant®, eBags®, Lipault® そして Hartmann®となっています。