加水分解とブリード現象
スニーカーの底が突如ばらけて、チャップリンの靴みたいになったり、カメラ三脚の調整用グリップが変色し、ネバネバとした触り心地になったりした経験がある方も多いでしょう。車の内装に発生する事もありますね。(プラスチックやゴムと言われる材料も種類は多く、柔軟性を持たせるために可塑剤がある程度含まれる)
加水分解
加水分解(かすいぶんかい、英: Hydrolysis)とは、反応物に水が反応し、分解生成物が得られる反応のことである。水解とも呼ばれる。このとき水分子 (H2O) は、生成物の上で H(プロトン成分)と OH(水酸化物成分)とに分割して取り込まれる。反応形式に従った分類により、加水分解にはいろいろな種類の反応が含まれる。
引用:Wikipedia 加水分解
超簡単に「〇〇を分解するときに水と一緒に化合する事」と考えればよいかな。それじゃあんまりか。
ざっくりですがポリエステルの劣化を例にすると
カルボン酸とアルコールでエステルが作られる。
エステル結合が多いプラスチックをポリエステルと呼ぶ。
そして空気中の水分や雨水で加水分解を起こしてカルボン酸とアルコールができる。その最後の工程がスニーカーがチャップリンの靴のようなパカパカになったと一般に認識される。
ブリード現象
「ブリード現象」として劣化を説明しているウェブページもあるそうですが、「加水分解」と同じとは言ってよいのかなあ。
ブリード現象とは
柔軟性を与え為の可塑剤(かそざい)という添加物が経年によって内部からにじみ出ることで起こるもの。(建物の外壁継ぎ目に施工されるシリコンコーキングの変色劣化について説明される事が多い)
劣化破損としては似ております。ここで断言はしないでおきます。
表面がネチャネチャし始めた時の処置
では実際どう処置していけばよいのか。簡単に。
・無水エタノールを使う
無水エタノールをボロキレにしみ込ませて丁寧に拭いていく事で軽度なものなら対処できます。
こちらは経験済みで、実用上問題ないレベルには処置できました。(注意:一度に大量に塗り付けるのはお勧めしません。)
・重曹を使う
お湯を入れたバケツに重曹でアルカリ水溶液を作り3時間ほど漬けてから洗浄する方法もあるそうです。私は試した事がありません。(注意:自己責任で、かつ無水エタノールで処置した後に続けて重曹を使う事はやめてください。)
凹凸が出来たり劣化が酷い時の処置
会社支給のキャリーバッグのハンドルが加水分解により劣化し、ネチャネチャとなってしまいました。メーカーに修理を問い合わせると部品が倉庫にも無いという返答でした。薬剤による洗浄を考えましたが、既に凸凹が発生しており劣化が激しく難しいと判断。
よってテニスラケットのグリップテープを使った応急修理を行いました。端のほうから丁寧に巻いていき、付属のシールで留めました。最初と最後に両面テープを貼って補強しても良いと思います。
ただ、コツがいるようで最初は失敗し見た目が良くなかった為、巻きなおしとなりました。
この記事の写真は2回目に巻いた写真となっております。
YONEXという表記がある箇所が付属の留め用のシールになります。
端と伸縮フレームのあたりを巻くのにコツがいりました。
テニスやバドミントンのグリップテープは消耗品ですので、使っているうちに巻きなおす事になります。